住宅の壁や床、建設現場の基礎工事に使う国内の合板製造量が1995年以来、21年ぶりに輸入合板を超えたもようだ。国産材の普及を促す政府の支援策を受け、木造建築への採用が進んでいる。林野庁の主要木材の需給見通しによると、2016年に国内で製造された合板は306万3千立方メートル。輸入量は279万2千立方メートルになる見込みで、合板分野で国産の占める割合は52%となる。

戦後に植林された人工林が木材として利用可能な伐期を迎え「原料を大量に安定して調達しやすくなっている」(建材商社)ことが背景にある。輸入合板は割安な価格を強みに輸入を増やしたが、マレーシアなど産地の環境規制の強化で原料の丸太価格が上昇。価格競争力が低下している。
木造住宅は資産運用や「相続目的で購入する顧客が増えている」(大手住宅メーカー)。なかでもアパートなど賃貸住宅の伸びが大きく、16年1~11月の着工数は前年同期比16%増加した。着工増で国産合板の引き合いも強い。大手合板メーカー、セイホク(東京・文京)の遠山雅美取締役は「保育所や幼稚園向けも伸びている」と話す。

国は25年までに国産材利用を拡大し、15年時点で33.3%だった木材自給率を50%超にまで高めたい考え。10年には公共建築物への木材利用を促す法律も施行され「国産材の利用機運は確実に高まっている」(日本合板工業組合連合会=東京・千代田)。輸入合板はマンション販売の伸び悩みも影響している。コンクリート型枠に使う輸入型枠用合板の需要が前年比1割以上少ない建材商社もある。国内の合板メーカーが国産材の型枠用合板やフローリング用のフロア台板に注力していることも逆風だ。
日本木材輸入協会(東京・江東)の岡田清隆専務理事は「以前は日本が有力な輸入国だったが、最近は所得の増えた中国や東南アジアの需要の伸びが目立つ」と話す。

真面目な話を見付けてしまったので載せておきます。