杉板本実型枠
2017/11/20
今日は「杉板の本実型枠」の現場に行って来ました。
トップ画は脱型したての外壁の写真。
「さりげなく杉の目を出したい」とのことでフラットのタイプを使って…とまではよかったのですが、型枠組み始めたら台風は来るは(しかも2つも)次の日カンカンに晴れるはで杉板もなかなかワガママしたはずでして正直ドキドキしていました。
しかしそこはさすが職人技!見事に真っすぐな壁になっておりました(感動)生意気に心配などしてしまって申し訳ありません。
最近流行り?少し前からこの工事のお話を頂くことが増え、フラット(乾燥させてプレーナー仕上げかけたもの)浮造り(うづくり)、焼浮造り(やきうづくり)、との言葉も耳慣れてきた印象です。木の年輪には「冬目」と「夏目」があって、
○ 冬目・・・冬に引き締められる目(黒い筋の部分)
○ 夏目・・・夏に育つ、冬目と冬目の間の部分
夏場には、温暖な気候×豊かな日射のもとで木はドンドン成長(太くなる)します。
ところが冬場にはあまり気温が上がらないため、木は夏目のようにあまり成長せず、引き締まった黒い筋(冬目)ができます。これを毎年繰り返して年輪が形成されていく、というわけです。つまり、浮造り、焼浮造り、は
【 木の夏目の部分はやわらかく、冬目の部分は固い 】
【 木の夏目の部分は削り取られやすく、冬目の部分は削り取られにくい ので、
専用の道具で「夏目」を削ってより深く木の目を出せるんだそうです。焼き杉を削って作るから焼浮造りなんですね。焼くのは表面を焼いた方が夏目が軟らかくなり削りやすいとの話もあります。焼いたからと言ってコンクリート面が黒くなることはありません。
しかしフラットでもこんなに木の目が綺麗に出るものなんだと思いました。現場の方曰く「遠くから見るとそんなにはっきりはわからないけど近くで見ると、あぁってなる」なんて要望通りじゃないですか!!サラっというところがまた憎い!
今日もまた現場で勉強になりました!やはり現場が全て知っているんですね。