2017年9月10月輸入合板市況と見解
2017/10/12
2017年9月ー10月輸入合板市況と見解
①原木状況
〇マレーシア、インドネシア共に原木不足が続いている。
(原因)
・雨期(通常10月末~2月末)でない時期の6~8月も雨が多く丸太の出が悪い。
・合法木材の信頼性向上の為、違法伐採の取り締まりが強化され合板製造に回す原木のチェックが厳しくなっている。
・7月から施工されている原木伐採税のTP税(ティンバープレミアム税)が上乗せされた為、原木価格が高騰しており合板メーカーの原木入手が非常に困難になっている。
②現地合板市況
・現地製品価格は慢性的な原木不足、原木価格の高騰により6~8月にかけて毎月20~30ドル(合板3×6-1枚当たり50~60円)の値上げを実施している。 (3ヶ月間で150円ほどのコストアップ)
③現地生産&船積み状況
・メーカーによっては、多いところで3ヶ月ほど前の受注残を抱えており、工場によっては9月の新規契約は受け付けないところも出てきている。
・9月マレーシアでは、犠牲祭(9/1)やマレーシアデイ(9/16)、イスラム新年(9/21)と休日が多く工場の稼働率が落ちることもあり、受注残を解消するまでには時間を要すと思われる。
・今後10月から本格的な雨期にはいることもあり、合板生産量が増えることは期待できない。
・慢性的な生産遅れから船積みも軒並み遅れており予定より2か月程遅れて入港してきている。
④国内合板市況
・現地の強硬な値上げ姿勢に引っ張られるように輸入合板の国内価格も値上がりしている。7月の輸入合板の通関統計は225,246M3で6月に急減したマレーシアからの入荷も10万M3超、一時期に比べると入荷量は多少、回復してきた模様。 一方、国内内需は今ひとつ盛り上がりに欠ける状況となっている。今後の需給バランスの行方が注視される。